ユキツグカムイ
人殺しの暑さに負けて 宇宙へと旅立ってから
何日が過ぎただろう やっと自分の言葉で書いてみたくなった。
と 言うか書ける様になった。
暑さに 滅法弱いユキツグは 多分居なくなる数日前から 酒とタバコと水しか口にしていなかったと思われ
現場検証の際 最近食事をとった形跡は無く 飲み水も底を尽き 冷蔵庫はカラッポ
そして 自室で横たわる彼のお腹の暑さは10センチ程も無く 大の字のまま横たわっていた
その顔は 表現しずらい程 怖かった
ユキツグと最後に逢ったのは
その 10日程前だった
何時もと何も変わらず 仕事の話に成ると子供の様に 夢中で話していた
何時もの事だが 夏には体重が落ちる 今年もユキツグは少し痩せたかな? そんな程度だった
何とか乗り切れると 想い込んでいた バカだった
今年の夏の暑さは 人殺しの暑さということを 忘れていた
今更 どうだというのか 自分に問いかける
でも 心にポッカリと開いた穴は 埋まりそうもまく何度でも脳裏をよぎる
この想いは 葬儀に参列した 仲間達にも同様だ
その想いを自分なりに昇華したくて
この作品に取りかかったのが 居なくなってから一週間後の事
これで前に進めると 思ったけれど 少し甘かった
たぶん そんな事の他に ユキツグの愛した 事 物 者 を
大事に 大事に想って行く事 それだけで良いのかもしれない
享年57歳
愛すべきユキツグ
一生 忘れない
そして
ユキツグと僕が愛した止まない 友人を神様に御願いして
助けてあげて下さいな
ユキツグの最後の仕事として